痒疹(ようしん)について
痒疹(ようしん)とは
痒疹(ようしん)は、強いかゆみを伴う赤いぶつぶつや硬いしこり(結節)が皮膚に繰り返し現れる皮膚疾患です。かゆみが非常に強く、掻くことで炎症が悪化し、さらにかゆみが増すという悪循環を起こしやすいのが特徴です。症状が長引くと、かさぶたや色素沈着、皮膚のごわつき(苔癬化)が残ることもあります。多くは腕や脚などの露出部に現れますが、全身に広がることもあります。
子どもから大人まで発症しますが、特に中高年以降に発症・悪化しやすい傾向があります。原因はさまざまで、アトピー性皮膚炎・アレルギー体質・虫刺され・内臓疾患・ストレスなどが関与すると考えられています。症状が数か月から数年にわたって続くこともあり、かゆみによる不眠や生活の質の低下を招くこともあるため、早期の適切な治療が大切です。
山本ファミリア皮膚科 駒沢公園では、皮膚科専門医の視点から適切な診断を行い、患者様の生活に合わせ、無理のない通院ができるよう生活背景に配慮した治療をご提案しています。痒疹(ようしん・かゆみの強い発疹)にお悩みの方は、目黒区東が丘 駒沢大学駅近くの「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」までご相談ください。
このような場合はご相談ください
✓皮膚に赤く盛り上がったぶつぶつができ、強いかゆみが続いている
✓かきむしってしまい、症状が体の別の部位に広がっている
✓ 同じような発疹が何度も再発している
✓ 長期間にわたって湿疹が治らず、色素沈着やしこりが残っている
✓眠れないほどのかゆみが続いている
痒疹の症状
①強いかゆみ
痒疹の最も特徴的な症状は非常に強いかゆみです。「身体の中からかゆみが湧いてきて、えぐり取りたくなる」と表現される方もおり、日常生活や睡眠に支障をきたすことがあります。
②赤いぶつぶつや硬いしこり
皮膚が赤く盛り上がり、ぶつぶつや結節(硬いしこり)になります。かきむしることで炎症がさらに悪化し、厚みのある皮膚変化が残ることもあります。
③ 慢性的に繰り返す
一度治っても、別の部位に新たに発疹が出たり、再発したりを繰り返します。慢性化しやすく、長期的なケアが必要です。
④色素沈着や皮膚の硬化
繰り返しかくことで、黒ずみ(色素沈着)や皮膚のごわつき(苔癬化)が残ることがあります。見た目の悩みとしても患者様に影響を及ぼすことがあります。
痒疹の原因
痒疹の原因は一つではなく、いくつかの要因が組み合わさって発症します。かゆみが強いために掻き壊してしまうことが悪化の原因となり、さらに症状が長引く悪循環を生みやすい病気です。山本ファミリア皮膚科 駒沢公園では、まず生活習慣や既往歴を含めて丁寧にお伺いし、原因を探っていきます。
①アトピー性皮膚炎や湿疹などの慢性的な皮膚炎
体質的に皮膚が過敏な方は、痒疹を起こしやすい傾向があります。
②虫刺されやかゆみを伴うアレルギー反応
虫に刺された部位をひっかくことで発症・悪化することがあります。
③強いストレスや疲労、生活習慣の乱れ
ストレスや不規則な生活はかゆみを悪化させる要因です。
④内臓疾患(糖尿病や肝機能障害・腎機能障害など)に伴う場合
まれに肝機能異常、糖尿病、慢性腎疾患などの内科的な病気に伴って発症することもあります。
痒疹の日常の注意点
①かかない工夫をする
・ 皮膚を傷つけないように爪を短く保つ
・ 就寝時に綿の手袋を使う
・ 保冷剤などで冷やしてかゆみを和らげる
②皮膚を清潔に保ち、保湿する
・ 入浴後すぐに保湿剤をしっかり塗る
・ 洗浄はやさしく行い、肌への刺激を避ける
③ストレスや疲れをためない
・ 睡眠を十分にとる
・ リラックスできる時間を持ち、ストレス軽減を心がける
④衣類や環境に注意
・ 通気性がよく、肌にやさしい素材(綿など)の衣類を選ぶ
・ 室内の湿度を適切に保つ(40〜60%)
痒疹の治療方法
痒疹の治療は、かゆい症状を抑えながら皮膚の炎症を鎮め、悪化の連鎖を止めることが大切です。山本ファミリア皮膚科 駒沢公園では、患者様の症状や生活に合わせた治療を行っています。
①ステロイド外用薬(塗り薬やテープ剤)
痒疹の基本的な治療は、炎症を抑えるステロイド外用薬です。症状に応じて強さを調整しながら使用します。軟膏だけでなく、テープ剤(貼付剤)もあり、かきむしって軟膏が取れてしまう場合によく使います。かゆい症状や炎症を抑えるため、えぐり取るほど掻いてしまう場合には強めのステロイドを使用し、悪循環を止めることが重要です。しこりになっている部分だけでなく、周辺の平らな皮膚にも外用剤を塗ることで改善しやすくなります。
②抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬(内服)
痒疹のかゆみを抑えるために、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服が処方されます。眠気の出にくい薬も選択でき、日常生活への影響を最小限に抑えることが可能です。かゆみで掻いてしまうことが悪循環を引き起こすため、少しでも掻かないように内服によるかゆみ止めが必要になることが多くあります。
③保湿剤
皮膚の乾燥を防ぐことで、かゆみの悪化や症状の再発を予防します。入浴後や外出後にはしっかり保湿することが大切で、日常的に続けることで痒疹の症状を和らげやすくなります。
④漢方薬
抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬でかゆみが治まらない場合、漢方薬を使用することがあります。痒疹の患者様では、血流の滞りを示す「瘀血(おけつ)」の状態がみられることが多く、駆瘀血(くおけつ)剤という漢方薬を用いることで改善が期待できます。かゆい症状を抑える漢方薬だけでなく、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬と併用することで、より治りやすくなることもあります。
⑤ナローバンドUVB光線治療
慢性的に治りにくい痒疹には、ナローバンドUVB光線治療が有効です。狭い波長の紫外線を皮膚に当てることで、炎症やかゆみを抑え、皮膚の回復を促します。副作用が少なく、継続して通いやすい治療として、多くの患者様に選ばれています。
⑥生活習慣の見直し
痒疹の悪化要因には、睡眠不足やストレスが関わることが多いため、生活習慣の改善もあわせてご提案する場合もあります。また、食事内容によってかゆい症状が強くなることがあるため、必要に応じて、症状に合わせてかゆくなりにくい食事の工夫についてもアドバイスしています。日常生活の改善とあわせて治療を行うことで、症状の再発予防やかゆみの軽減につながります。
⑦生物学的製剤(デュピクセント・ミチーガ)
従来の治療でも改善が乏しい場合には、生物学的製剤(デュピクセント・ミチーガ)を使用することがあります。保険診療で受けられますが、定期的な受診・注射が必要です。使用開始にあたっては、治療の流れや金銭的負担について十分にご説明し、患者様に納得いただいた上で開始します。
よくある質問
①痒疹はうつりますか?
- いいえ、痒疹は感染性の疾患ではありません。他人にうつることはありません。
② 治療はどのくらい続ける必要がありますか?
症状や体質によって個人差がありますが、治療を続けることで数週間〜数か月で改善が見込めます。慢性化している場合は、数か月以上かけて改善を目指すこともあり、根気よく継続することが大切です。
③かいてしまったらどうしたらいいですか?
かゆみで掻いてしまった場合は、すぐに冷やして炎症を抑える外用薬を塗布しましょう。必要に応じて、早めに皮膚科を受診してください。
④再発することはありますか?再発を防ぐには?
痒疹は再発しやすい疾患です。再発予防には、生活習慣の見直し、保湿ケア、かゆみに対する早めの対処が効果的です。定期的に皮膚科を受診し、皮膚のバリア機能を整えることも大切です。
⑤どのタイミングで受診すべきですか?
かゆみが強く日常生活に支障がある場合や、症状が長引いて治らないと感じたときは、できるだけ早めに皮膚科を受診してください。
山本ファミリア皮膚科 駒沢公園では、皮膚科専門医による丁寧な診察と、患者様一人ひとりの症状や生活に合わせた治療をご提案しています。痒疹(ようしん)でお悩みの方は、駒沢大学駅近くの「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」までお気軽にご相談ください。















