手荒れ(手湿疹)について
手荒れ(手湿疹)とは
手荒れ(手湿疹)は、手の皮膚が乾燥して赤くなったり、ひび割れ、かゆみ、水ぶくれなどが現れる皮膚炎のことを指します。医学的には「手湿疹(てしっしん)」と呼ばれ、主婦湿疹・進行性指掌角皮症・アレルギー性接触皮膚炎など、いくつかのタイプがあります。原因として多いのは、洗剤や水仕事、紙類の扱い、アルコール消毒、ゴム手袋などによる繰り返しの刺激です。こうした刺激によって皮膚のバリア機能が低下し、炎症が起こりやすくなります。また、アトピー体質やアレルギー体質のある方は、症状が慢性化しやすい傾向があります。軽い手荒れ(手湿疹)の段階では保湿やスキンケアで落ち着くこともありますが、症状が進むとひび割れや痛みが強くなり、仕事や家事、手洗いなどの日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。
手荒れ・手湿疹の治療では、刺激を避けること・炎症を抑えること・皮膚の保護と保湿が基本になります。皮膚科では、症状に応じてステロイド外用薬や保湿剤を使い分け、生活環境に合わせたスキンケア指導を行います。手荒れや手湿疹は、放置すると悪化や再発を繰り返すことが多いため、早めの皮膚科受診が大切です。
手の乾燥やひび割れ、かゆみ、水ぶくれなどを繰り返す「手荒れ・手湿疹(てしっしん)」にお悩みの方は、目黒区東が丘・駒沢大学駅近くの「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」までお気軽にご相談ください。一人ひとりの手の状態に合わせた治療・予防ケアをご提案いたします。
このような場合はご相談ください
✓ 手がガサガサ・カサカサして皮がむける・粉をふく
✓ 指先のひび割れや出血がつらい、痛い
✓ 赤み・かゆみ・水ぶくれが繰り返し出る
✓ 手荒れや手湿疹が治らず、痛くて、家事・水仕事・仕事に支障がある
✓ 保湿しても改善せず、悪化をくり返している
✓ 主婦湿疹・進行性指掌角皮症と診断されたことがある
手荒れ(手湿疹)の症状
手荒れ・手湿疹(てしっしん)は、乾燥や刺激の繰り返しにより皮膚のバリア機能が低下することで、炎症やかゆみ、ひび割れなどが生じる皮膚炎です。特に、水仕事や洗剤、アルコール消毒などを頻繁に行う方に多く見られ、悪化すると「主婦湿疹」や「進行性指掌角皮症」に進行することもあります。
①乾燥・皮むけ
初期の手荒れ(手湿疹)では、手のひらや指先がカサカサして白く粉をふくようになります。角層がはがれて皮がむけやすくなり、かゆい症状を伴うこともあります。
②赤み・かゆみ・ひび割れ
悪化すると、手全体が赤くなり、強いかゆみやひび割れ、出血がみられます。洗剤や水、紙類などの刺激で痛みが出ることも多く、仕事や家事に支障をきたす手湿疹の典型的な症状です。
③水ぶくれ・じゅくじゅく
さらに進行すると、小さな水ぶくれ(水疱)が指先や手のひらにでき、破れてただれたような状態になることもあります。「水泡性手湿疹」や「アレルギー性接触皮膚炎」が関係している場合もあり、かゆい症状や痛みが強くなる段階です。
④慢性化・皮膚のごわつき
長引き炎症を繰り返すことで皮膚が厚く硬くなり、ゴワゴワとした手肌になります。この状態を「苔癬化(たいせんか)」と呼び、進行性指掌角皮症の一因となることもあります。慢性化すると完治が難しくなるため、早めに皮膚科での治療を受けることが大切です。
手荒れ(手湿疹)の原因
①外的刺激(洗剤・水・摩擦)
日常的に触れる食器用洗剤・シャンプー・アルコール消毒・頻繁な手洗い・乾燥した空気 などが、皮膚のバリア機能を壊し、手荒れや手湿疹を引き起こします。とくに冬場や水仕事が多い方は、手指の乾燥・ひび割れ・かゆみが悪化しやすくなります。
②アレルギー反応
ゴム手袋・金属・香料・化学物質 などが原因で起こる 接触性皮膚炎(アレルギー性手湿疹) も多くみられます。刺激の少ない手袋を選ぶなど、原因物質の特定と回避が重要です。
③アトピー性皮膚炎・体質的な要因
アトピー体質や乾燥肌の方 は、もともと皮膚のバリア機能が弱いため、手湿疹ができやすく、いったん悪化すると治りにくい傾向があります。手指の乾燥や赤み、皮むけが続く場合は、早めに皮膚科での治療を検討しましょう。
④職業的要因
美容師・調理師・看護師・保育士・介護職 など、水や洗剤、アルコールに頻繁に触れる職業では、職業性手湿疹(職業性皮膚炎) が非常に多くみられます。手荒れを防ぐためには、保護手袋の着用や保湿ケアの徹底が欠かせません。
手荒れ(手湿疹)の日常の注意点
①刺激から手を守る
手荒れ・手湿疹を悪化させる最大の原因は“刺激”です。水仕事や掃除の際は、綿手袋の上にゴム手袋を重ねて使用し、直接洗剤や水に触れないようにしましょう。また、手肌にやさしい中性洗剤を選ぶことも大切です。
②保湿ケアを徹底する
手荒れ・手湿疹の改善・予防において、保湿は最も重要なポイントです。手洗い後や水仕事の後はタオルでやさしく水分を拭き取り、すぐに保湿剤(ハンドクリーム・ワセリンなど)を塗布します。特に就寝前の保湿は効果的で、保湿後に綿手袋を着用すると、乾燥を防ぎ潤いが持続します。
③ 手を清潔に保ち、やさしく洗う
汚れや細菌を落とすための手洗いも、やり方によっては刺激になります。熱すぎるお湯やゴシゴシ洗いは避け、ぬるま湯でやさしく洗浄するようにしましょう。洗浄後はしっかりと保湿ケアを行い、乾燥を防ぐことが大切です。
④必要に応じてアレルギー検査を受ける
手荒れ・手湿疹が長引いたり、原因が分からない場合は、接触性皮膚炎やアレルギー反応の可能性もあります。皮膚科でパッチテストなどのアレルギー検査を受け、原因物質を特定することで、日常生活の中での接触を避け、再発を防ぐことができます。
手荒れ(手湿疹)の治療方法
手荒れ・手湿疹の治療は、炎症を抑え、皮膚のバリア機能を回復させることが目的です。症状の程度や原因によって、外用薬・内服薬・紫外線療法・アレルギー検査などを組み合わせて行います。
①ステロイド外用薬
炎症やかゆみを速やかに抑えるために、ステロイド外用薬を使用します。症状の重さや部位に応じて薬の強さを調整し、医師の指導のもとで適切に使用することが大切です。自己判断での長期使用は避けましょう。
②保湿剤(ヒルドイド・ワセリンなど)
保湿ケアは治療の基本です。乾燥を防ぎ、皮膚のバリア機能を整えるために、ヒルドイドやワセリンなどの保湿剤を継続的に使用します。手洗いや水仕事の後、寝る前などにこまめに塗ることで、再発予防にもつながります。
③ 抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬(内服)
かゆみや炎症が強い場合は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服を併用することがあります。睡眠中の掻きこわしを防ぐ効果もあり、皮膚の回復を助けます。
④慢性化した手湿疹には角質軟化剤・紫外線療法
皮膚が厚く硬くなる進行性指掌角皮症(しんこうせいししょうかくひしょう)などの慢性例では、尿素配合外用剤(角質軟化剤)や紫外線療法(ナローバンドUVB)を行うことがあります。これにより皮膚のごわつきを改善し、再発しにくい状態を目指します。
⑤アレルギー検査と原因物質への対応
金属やゴム、洗剤、香料などによる接触アレルギー(接触皮膚炎)が疑われる場合は、パッチテストによるアレルギー検査を行います。原因物質が特定できれば、生活の中での接触を避けることで症状の改善が期待できます。
手荒れ(手湿疹)のよくあるご質問
①手荒れ(手湿疹)が仕事に影響しています。相談できますか?
もちろんご相談ください。山本ファミリア皮膚科 駒沢公園では、美容師・看護師・調理師・保育士など、水や洗剤を頻繁に使う職業性手湿疹の方も多く受診されています。「ステロイド外用薬を塗っても良くならない」「保湿してもすぐに荒れる」とお悩みの方も、なぜ効きにくいのか、どうすれば治りやすくなるのかを丁寧にご説明しながら治療を進めます。同じ薬でも、使い方や塗るタイミングを工夫することで改善がみられるケースが多くあります。
②手荒れ(手湿疹)はうつりますか?
いいえ、うつりません。手湿疹はウイルスや細菌による感染症ではなく、皮膚のバリア機能の低下や刺激・アレルギー反応によって起こる皮膚炎です。家族や職場の人にうつる心配はありませんので、安心して治療を受けてください。
③自然に治ることはありますか?
軽症の一時的な乾燥や刺激であれば、保湿ケアや刺激の回避で自然に改善することもあります。ただし、かゆみ・ひび割れ・水ぶくれが繰り返す場合や長引く場合は、慢性化して治りにくくなる前に皮膚科での治療をおすすめします。早めの受診が、再発を防ぐ最短ルートです。
④ 手荒れ(手湿疹)に効く市販薬はありますか?
軽度の手荒れ・手湿疹には市販の保湿クリームで対応できることもあります。しかし、赤み・ひび割れ・強いかゆみがある場合は、市販薬では効果が不十分なことが多く、医師による診断と処方薬の治療が必要です。自己判断で強いステロイドを長期使用すると、かえって悪化することもあるため注意が必要です。
山本ファミリア皮膚科 駒沢公園では、皮膚科専門医による丁寧な診察と、患者様一人ひとりの症状や生活に合わせた治療をご提案しています。手荒れ(手湿疹)でお悩みの方は、目黒区東が丘、駒沢大学駅近くの「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」までお気軽にご相談ください。















