7月も終わりに近づきましたが、まだまだ強い日差しと蒸し暑さが続き、これからが夏本番という気候ですね。当院のお隣にある駒沢公園でも、木陰を選んで散歩される方や、夏休みのお子さんと遊ぶ姿が多く見られるようになってきました。
この季節、汗や皮脂によるトラブルも多いですが、実は「肌が異常に乾燥する」「化粧品がしみるようになった」といった、敏感肌のご相談が増えてくる時期です。強い日差しと湿気のなか、汗をかいて肌がベタつくかと思えば、なぜか顔だけカサカサする…そんな不思議な”肌のゆらぎ”を感じている方、いらっしゃいませんか?
そこで今回は、「敏感肌って、そもそもどういう状態なの?」というところから、肌と身体を両面から整えていくケア方法まで、日常に役立つ情報をお届けしたいと思います。
◆敏感肌のサインと“肌バリア”がゆらぐ理由とは?どうして乾燥したり、ひりひりするの?
この時期によく診察室で耳にするのが、「急にいつもの化粧品がしみるようになった」「何をつけてもかゆくなってしまう」というご相談です。これらはまさに、「敏感肌」と呼ばれる状態のサインかもしれません。ただよく耳にする「敏感肌」という言葉ですが、実はこれは医学用語ではありません。定義もあいまいで、「なんとなく肌が弱くなった」「前より刺激に反応しやすくなった」といった、“今までと違う”という感覚が特徴です。
でも、そう感じるときには、やっぱり理由があるのです。
その代表的なものが、「皮膚のバリア機能の低下」です。私たちの肌は、もともととても優秀な“守り手”です。乾燥や花粉、化粧品、摩擦などの外からの刺激をブロックし、内側の水分をしっかり抱え込む働きをしています。ところが、このバリア機能が弱くなると、ちょっとした刺激にも肌が反応しやすくなり、ピリピリ・かゆみ・乾燥といった不安定な状態が続いてしまいます。
紫外線や過度な洗顔、季節の変わり目なども原因になりますが、当院(山本ファミリア皮膚科 駒沢公園)では、「血の巡り(血流)」も大きなカギになると考えています。肌のすみずみにまで血液が巡らないと、必要な栄養や酸素がきちんと届かず、皮脂や保湿因子の分泌も少なくなってしまいます。その結果、肌は乾燥しやすくなり、バリア機能も低下してしまうのです。
もし、肌だけでなく、体全体の冷えや疲れ、ストレスを感じているようなら、それは肌の不調ともつながっているかもしれません。そんなときは、スキンケアだけでがんばらず、まずは軽い運動やストレッチなどで身体を動かしてみるのもおすすめです。「身体がポカポカする」程度でも、血流は十分改善されますよ。
◆整えるケアで、「敏感肌」「ゆらぎ」をリセット:漢方・保湿・スキンケアのすすめ
また、東洋医学の視点を取り入れることも、肌の改善に役立ちます。たとえば、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」や「四物湯(しもつとう)」といった漢方薬は、血を補って巡らせ、体全体のバランスを整えてくれます。冷えや月経トラブルを感じている方にもよく使われる処方です。また、「ストレスがかかると肌が荒れる…」という方には、気の巡りを整える漢方(例:加味逍遙散(かみしょうようさん)など)を使うこともあります。
※山本ファミリア皮膚科 駒沢公園では、患者様の症状やご希望に応じた漢方のご提案も得意としています。気になる方は診察時にご相談ください。
そしてもちろん、外からのケアも大切です。肌バリアが不安定になっているときは、まず「ととのえる」ことを第一に、成分が強すぎるものや刺激のあるスキンケア製品は避け、肌にやさしい保湿を重ねていくことが基本です。当院では、保険処方として「ヘパリン類似物質外用薬(ヒルドイド)」をご用意していますし、炎症が強い場合には「モイゼルト(デルゴシチニブ)」や、短期間のステロイド外用薬を使用することもあります。
また、スキンケアでお困りの方のために、敏感肌向けのクリニック専売化粧品も取り扱っています。今回はその中から、2点をご紹介します。
✦メディーナ・フォーマットONE : 80ml / 9,000円(税込9,900円)
ひとつ目は、「フォーマットONE」というオールインワンタイプの保湿液。夏のゆらぎや紫外線、乾燥などで不安定になった肌を、やさしく落ち着かせてくれます。植物プランクトンの再生力を応用した処方で、肌が本来持っている“整う力”を後押ししてくれるような印象のアイテムです。テクスチャーはとてもみずみずしく、ベタつきもほとんどありません。「これ1本なら使える」というお声も多く、スキンケアをあれこれ試して迷い気味の方にもおすすめです。
✦ナビジョン:ナビジョンDR TAバリアローション : 120ml / 4,200円(税込4,620円)
もうひとつは、ナビジョンDRの「TAバリアローション」です。
アルコールフリーで、敏感になった肌にも刺激が少なく、保湿と美白を同時に叶える処方です。肌バリアを守りながら、乾燥や紫外線のダメージをやわらげ、なめらかな肌へと整えてくれます。
今回のコラムでは、夏のこの時期にご相談が増えてくる、「敏感肌」をご紹介いたしました。敏感肌は、単なるスキンケアの問題ではなく、血流や自律神経、体調のバランスと深く関わっています。体のこと、心のこと、日々の疲れや気温の変化など、いろんなことが少しずつ積み重なって、ある日ふと「あれ? なんだか調子が悪いな」と気づくものです。だからこそ、肌を立て直すには、内と外、両面からのケアがとても大切です。「一時的な肌荒れだから…」と見過ごさずに、日々の生活の中で少しずつ取り入れられることから始めてみましょう。体の中と外から、ゆっくり整えていけば、肌もまた、少しずつ応えてくれるはずです。
ご自身ではなかなか判断がつかない、ケア方法がわからない…そんなときは、どうぞ山本ファミリア皮膚科 駒沢公園にご相談ください。私たちは、どんな肌の声にも丁寧に耳を傾け、ひとりひとりに合ったケアをご提案したいと考えています。
「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」は東急田園都市線の駒沢大学駅が最寄り駅です。
東京都目黒区・世田谷区の東急田園都市線の駒沢大学駅、三軒茶屋駅、桜新町駅、用賀駅、または東急東横線の都立大学駅、学芸大学駅、自由が丘駅、また東急大井町線沿線からたくさんご来院いただいております。特に、定期的に通院可能な近隣(主に世田谷区の駒沢・深沢・上馬・下馬・野沢・弦巻・新町、目黒区の東が丘・八雲・柿の木坂)にお住まいの方々を中心に、大田区、渋谷区、品川区、川崎市、横浜市など幅広い地域からもご来院いただいています。
駒沢大学駅は、東急田園都市線で渋谷から3駅と近く、都心からのアクセスも便利です。また、自由が丘駅や田園調布駅からは、東急バスでのアクセスも便利です。
スタッフ一同、皆様のご来院を心よりお待ちしております。