カンジダ性皮膚炎

カンジダ性皮膚炎の症状について

カンジダ性皮膚炎とは

カンジダ皮膚炎は、「カンジダ」と呼ばれる真菌(カビの一種)によって引き起こされる皮膚の感染症です。カンジダ菌は、健康な人の皮膚や口腔、消化管、膣などにもごく普通に存在している常在菌のひとつです。普段は特に問題を起こすことはありませんが、以下のような環境が重なると過剰に増殖し、炎症やかゆみなどの症状を引き起こします。

高温多湿の環境(特に汗をかきやすい季節や部位)

皮膚同士がこすれやすい部位(脇の下、足の付け根、陰部、乳房の下など)

免疫力の低下(ストレス、病気、糖尿病、ステロイド剤や抗生物質の使用など)

 
症状としては、赤み、かゆみ、ヒリヒリ感、小さな水ぶくれ、皮膚のただれなどが現れ、皮膚がふやけたように見えることもあります。また、皮膚のシワに沿って広がりやすく、境界がはっきりしているのが特徴です。早期の診断と適切な治療により、比較的短期間で改善することが多いですが、自己判断で放置すると慢性化したり、再発を繰り返すこともあります。症状に心当たりがある方は、早めに皮膚科を受診されることをおすすめします。カンジダ性皮膚炎でお悩みの方は、駒沢大学駅近くの「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」までご相談ください。

 

このような場合はご相談ください

 ✓ 湿った紅斑(赤いただれ)が見られる場合

✓ 点々とした発疹や小さな水ぶくれが現れた場合

✓ 皮膚の落屑(白い皮膚が剥がれること)が起こっている場合

✓ 強いかゆみを感じる場合

✓ 症状が2週間以上続く、または悪化する場合

 

カンジダ性皮膚炎の症状

①湿った紅斑

湿った紅斑は、カンジダ皮膚炎の代表的な症状です。境界があまりはっきりしない赤いただれとして現れ、ジュクジュクとした湿った状態になります。また、時には小さな水ぶくれとなり、かゆみを伴うこともあります。

好発部位は、脇下や股間、陰部、おむつ部、乳房の下などの蒸れたり擦れたりしやすい部分です。この症状は高温多湿の環境で悪化しやすく、衣類や皮膚の接触面が蒸れやすい状況で発症しやすいです。

②点々とした発疹

点々とした発疹は、カンジダ皮膚炎の特徴的な症状の一つです。主に紅斑の中や周囲に、小さな水(赤色)ぶくれや膿疱(黄色)として現れます。

好発部位は湿った紅斑と同様で、脇下や股間、陰部、おむつ部、乳房の下などです。

患者はこの症状に対して軽いかゆみを感じることが多く、時にはヒリヒリする痛みを伴うこともあります。点々とした発疹は、カンジダ菌の増殖が活発な部位に集中して現れる傾向があります。

皮膚の落屑

皮膚の落屑は、カンジダ皮膚炎の進行した段階でよく見られる症状です。感染部位の皮膚が白くなり、薄片状にはがれ落ちる現象を指します。特に肛門周囲のカンジダ症で顕著に現れることがあります。

好発部位は特に乾燥しやすい部位や摩擦の多い部位で起こりやすいです。患者は皮膚がむけることで不快感を感じ、かゆみを伴うことも多いです。落屑した皮膚の下には新しい赤い皮膚が現れ、これが繰り返されることがあります。

④かゆみ

カンジダ皮膚炎に伴うかゆみは、軽度から強度まで様々ですが、強いかゆみを伴うこともあります。かゆみは主に感染部位に集中し、湿った紅斑や点々とした発疹の周囲で特に強く感じられます。

好発部位として、特に皮膚の重なる部分や衣類との摩擦が多い部位で強くなる傾向があります。

患者は強いかゆみにより掻破行動(掻きむしること)を起こしやすく、これが症状を悪化させます。また、かゆみにヒリヒリする痛みが伴うこともあり、患者のQOLを著しく低下させる可能性があります。

⑤性器周辺の症状

女性は陰部の強いかゆみ、熱感(ヒリヒリ感)、おりものの変化(白くドロッとする)、ニオイがきつくなる、などの症状が出ます。

男性の場合、性器が外に露出しており、蒸れることが少ないため性器カンジダ症になりにくいです。発症すると、陰茎の先端が赤くなったり小さな水ぶくれができたりします。

カンジダ性皮膚炎でお悩みの方は、駒沢大学駅近くの「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」までご相談ください。

 

カンジダ性皮膚炎の原因

①カンジダ菌の過剰増殖

カンジダ菌は、ふだん皮膚や粘膜に存在する常在菌ですが、免疫力の低下や湿度の高い環境など、さまざまな条件が重なることで増殖し、カンジダ性皮膚炎を引き起こすことがあります。通常は身体とバランスを保って共存していますが、そのバランスが崩れると菌が過剰に増え、炎症を起こす原因となるのです。

②免疫力の低下

以下のような人は、免疫機能が低下していることが多く、カンジダ性皮膚炎を引き起こすリスクが高まります。

  • ・糖尿病の方
  • ・ステロイドなどの免疫抑制剤を使っている方
  • ・透析をしている方
  • ・抗がん剤治療中の方
  • ・高齢者
  • ・乳児
③高温多湿環境

カンジダ皮膚炎は、皮膚と皮膚がこすれやすい場所にできやすく、暑くて湿気の多い環境や、オムツ、多汗、不衛生などが原因になります。特に夏に多く見られ、寝たきりの方のスキンケア不足や、肥満・妊娠なども関係しています。カンジダ菌は湿った場所を好むため、汗をかきやすく、皮膚が重なっているところで増えやすくなります。

④皮膚の状態変化

ステロイド外用薬の使用や、糖尿病のコントロール不良によって皮膚の免疫力が低下することも、カンジダ皮膚炎の一因となります。さらに、既存の皮膚疾患に対して適切でない治療が行われた場合も、発症のリスクが高まります。皮膚のバリア機能が弱まることで、カンジダ菌が侵入しやすくなり、炎症が起こりやすくなるのです。

⑤抗生物質の使用

抗生物質の使用は、皮膚や粘膜の正常な細菌叢のバランスを崩す可能性があります。これにより、カンジダ菌が過剰に増殖する機会が生まれ、カンジダ性皮膚炎のリスクが高まることがあります。

カンジダ性皮膚炎でお悩みの方は、駒沢大学駅近くの「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」までご相談ください。

 

カンジダ性皮膚炎の日常の注意点

①清潔保持

もっとも大切なのは、患部を清潔に保つことです。ただし、乳幼児の場合、「しっかり汚れを落とさないと」とゴシゴシ強くこすってしまうのは逆効果です。皮膚を傷つけることで、かえって症状を悪化させる原因になってしまいます。排便後は、シャワーや座浴で汚れを洗い流し、やわらかいタオルで水分をやさしく拭き取って乾かすようにしましょう。症状が軽い場合や外出時には、おむつ交換の際に、ぬるま湯で湿らせたガーゼや脱脂綿などを使って、こすらずやさしく拭き取るとよいでしょう。

②乾燥の重要性

症状のある部分を清潔に保ち、しっかり乾燥させることで、回復が早まり、再発の予防にもつながります。入浴後などは、濡れたまま衣類を着るのではなく、タオルでしっかりと水分を拭き取ってから着用しましょう。特に、皮膚が重なりやすい部分や汗をかきやすい部位は、十分に乾かすことが大切です。

③適切な衣類の選択

通気性の良い素材の衣類を選び、皮膚が蒸れないように心がけましょう。特に下着は綿素材のものがおすすめで、こまめに取り替えることが大切です。また、きつい服は皮膚への摩擦を増やし、症状を悪化させる恐れがあるため避けましょう。

④生活習慣の改善

免疫力を維持するためには、規則正しい生活と十分な睡眠、そして栄養バランスの整った食事が欠かせません。また、過剰なストレスは免疫機能を低下させるため、適切にストレスをコントロールすることも重要です。これにより、カンジダ性皮膚炎の発症リスクを抑えることができます。

⑤適切な観察とケア

症状の出ている部分は定期的にチェックし、悪化していないかしっかり確認しましょう。医師の指示に従って治療やケアを継続することも大切です。症状が良くなっても、再発を防ぐために一定期間は注意深く観察を続けることをおすすめします。

カンジダ性皮膚炎でお悩みの方は、駒沢大学駅近くの「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」までご相談ください。

 

カンジダ性皮膚炎の治療方法

カンジダ性皮膚炎の治療法としては、抗真菌成分を含む外用薬が効果的とされています。この外用薬は、カンジダ菌の増殖を抑え、症状を改善する働きがあります。治療の基本は、患部を清潔に保ち、乾燥させることから始まります。その上で、医師の処方に従って適切な薬剤を使用することが重要です。
ほとんどの皮膚カンジダ症は、抗真菌薬の塗り薬を、毎日1~2回使用することで2週間程度で治まります。一方で、症状が広範囲に及んでいる場合や、炎症が強く出ている重症例では、抗真菌薬を内服する治療が選択されることもあります。治療期間は一般的に約2週間とされていますが、症状が改善しても自己判断で中断せず、医師の指示に従って継続することが重要です。途中で治療を中断すると、症状が再発する可能性があります。カンジダ性皮膚炎でお悩みの方は、駒沢大学駅近くの「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」までご相談ください。

①抗真菌薬の外用療法

多くの場合、ミコナゾール、クロトリマゾール、オキシコナゾール、ケトコナゾール、エコナゾール、シクロピロクス、ナイスタチンなどを含んだクリームで治療すれば、皮膚カンジダ感染症は簡単に治ります。クリームは通常1日に1~2回塗り、これを7~10日間続けます。これらの抗真菌薬は、カンジダ菌の増殖を抑制し、症状の改善を促します。

②内服抗真菌薬療法

症状が広範囲に現れている場合や、炎症が強い場合などの重症例では、抗真菌薬の内服を検討することもあります。内服薬は全身に作用するため、広範囲の症状や難治性の症例に効果的です。ただし、副作用のリスクもあるため、医師の慎重な判断のもとで使用されます。

③ステロイド外用薬の併用

炎症が強い場合、短期間のステロイド外用薬の使用を検討することがあります。これは炎症を抑え、かゆみを軽減する効果がありますが、長期使用は避けるべきです。ステロイド薬の使用は必ず医師の指示に従い、慎重に行う必要があります。

④保湿ケア

症状の改善後も、皮膚の乾燥を防ぐために保湿ケアが重要です。医師が推奨する保湿剤を使用し、皮膚のバリア機能を維持することで、再発のリスクを低減できます。特に、症状が出やすい部位には注意深くケアを行いましょう。

⑤生活指導

また、症状がみられる部分を清潔に保ち、乾燥させることで治りやすくなり、再発を防ぐことができます。医師は患者さんの生活習慣や環境を考慮し、適切な生活指導を行います。これには、適切な衣類の選択、清潔保持の方法、乾燥の重要性などが含まれます。これらの指導を守ることで、治療効果を高め、再発を予防することができます。

カンジダ性皮膚炎でお悩みの方は、駒沢大学駅近くの「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」までご相談ください。

 

よくあるご質問

①カンジダ性皮膚炎は自然に治りますか?

軽度の症状であれば、清潔を保ち乾燥させることで改善することもありますが、多くの場合は抗真菌薬の使用が必要となります。自然に治るのを待つと症状が悪化する恐れがあるため、症状が長引く場合は早めに皮膚科を受診することをおすすめします。

②市販薬で治せますか?

軽い症状の場合、市販されている抗真菌薬(ミコナゾールやクロトリマゾールなど)が効果を発揮することもあります。しかし、症状が重かったり改善しない場合は、医師の診察を受けて適切な治療を受けることが重要です。

③どのくらいで治りますか?

抗真菌薬の塗り薬を1日1~2回使用すると、通常1~2週間で改善します。ただし、症状が広範囲の場合や炎症が強い場合は内服薬が必要になり、治療期間が長くなることもあります。自己判断で治療を中断せず、医師の指示通りに続けることが大切です。

④何が原因で発症しますか?

カンジダ菌はもともと皮膚や粘膜に存在する常在菌ですが、免疫力の低下、高温多湿の環境、皮膚の摩擦や蒸れ、抗生物質の使用などが原因で異常増殖し、皮膚炎を引き起こします。

⑤どの部位にできやすいですか?

カンジダ菌は湿った環境を好むため、脇の下、股間、陰部、乳房の下、肛門周囲、おむつ部位、皮膚の重なる部分などに発生しやすくなります。

カンジダ性皮膚炎でお悩みの方は、駒沢大学駅近くの「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」までご相談ください。

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