皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)

皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)について

皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)とは

皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん・乾燥性湿疹)は、皮膚の表面を守る皮脂や水分が減少し、肌が乾燥してカサカサ・粉をふく・ひび割れるなどの症状を起こす湿疹です。主にすね・太もも・腕・背中・腰まわりなどに多く見られ、冬場や乾燥した環境で悪化しやすいのが特徴です。

乾燥によるかゆい・痛いといった不快な症状を伴い、掻くことで炎症が広がると赤みや湿疹が出てくることもあります。年齢とともに皮脂の分泌量が減少するため高齢者に多い傾向がありますが、冷暖房・長時間の入浴・ボディソープの刺激などにより、若い世代でも発症します。放置すると、かゆみが強くなり掻き壊しや色素沈着、慢性化を招くことがあるため、早めの治療とスキンケアが大切です。

乾燥した肌にカサつきや粉ふき、かゆい症状が出る「皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん・乾燥性湿疹)」にお悩みの方は、目黒区東が丘・駒沢大学駅近くの「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」までお気軽にご相談ください。

 

このような場合はご相談ください

                     

すねや腕がカサカサして白く粉をふく

皮膚が乾燥してかゆい・かゆくて眠れない

掻くと赤くなり、ひび割れて痛い

保湿してもすぐに乾燥してしまう

冬になると毎年、同じ場所に湿疹が出る

加齢とともに肌の乾燥や粉ふきが強くなった

皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)と診断されたことがある

 

 

皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)の症状

皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)では、皮膚の乾燥が進行するにつれて、次第に症状が変化していきます。

① 初期:乾燥・粉ふき

皮膚がカサカサし、白い粉をふいたように見えます。軽いかゆみを伴うこともあり、特に入浴後や就寝前にかゆくなりやすいのが特徴です。

②中期:赤み・かゆみ・ひび割れ

乾燥した部分に炎症が起こり、赤くなってかゆみや痛みが出てきます。掻くことで皮膚がさらに傷つき、ひび割れや出血が生じることもあります。

③後期:湿疹・かゆみの慢性化

「かゆいから掻く → 炎症が悪化 → さらにかゆい」という悪循環が続くと、皮膚が厚く硬くなり、慢性的なかゆみや痛みが続く状態になります。治った後も、色素沈着として跡が残ることがあります。

 

皮脂欠乏性湿疹の原因

皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)は、皮膚の乾燥によってバリア機能が低下することが主な原因です。肌を守る皮脂膜や水分保持成分が不足すると、外部刺激に敏感になり、かゆみや炎症が生じやすくなります。特に以下の4つの要因が関係しています。

①加齢や体質による皮脂分泌の低下

年齢とともに皮脂や天然保湿因子(NMF)が減少し、肌の潤いを保てなくなります。そのため中高年の方では、冬場を中心に「すね」や「腕」などの乾燥しやすい部分に皮脂欠乏性湿疹が起こりやすくなります。また、生まれつき乾燥肌やアトピー素因のある方も発症しやすい傾向があります。

②過度な洗浄や入浴習慣

熱いお湯での長風呂、石けんやボディソープの使いすぎ、ナイロンタオルでの強いこすり洗いは、皮脂膜を洗い流し、皮膚の保湿力を低下させます。「清潔にしよう」と思って行うケアが、かえって乾燥とかゆみを悪化させる原因になることがあります。

③環境要因(冬・暖房・低湿度)

冬の乾燥した空気や、エアコン・暖房による湿度の低下は、肌の水分を奪います。その結果、粉をふくような乾燥やかゆみ、ひび割れといった症状が強くなります。特に屋内外の温度差が大きい季節は、皮膚への負担が増します。

④掻くことでの悪化(かゆみの悪循環)

乾燥した肌はかゆみを感じやすく、掻くことで角層が傷つき、さらにバリア機能が壊れて炎症が悪化します。「かゆい→掻く→炎症が悪化→さらにかゆい」という悪循環が続くと、皮膚が厚く硬くなり、治りにくい慢性湿疹へと進行します。

 

皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)の日常の注意点

皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)の改善と再発予防には、毎日のスキンケアと生活習慣の見直しが欠かせません。以下のポイントを意識することで、乾燥やかゆみの悪化を防ぎ、皮膚のバリア機能を保つことができます。

①入浴はぬるめのお湯で短時間に

熱いお湯(42℃以上)や長風呂は皮脂を奪い、肌の乾燥を悪化させます。お湯の温度は38〜40℃程度に保ち、入浴時間は10〜15分以内を目安にしましょう。ナイロンタオルでこすらず、やさしく手で洗うのがおすすめです。

②入浴後すぐに保湿する

お風呂上がりは皮膚の水分が急速に蒸発します。入浴後3〜5分以内に、保湿クリームやワセリンを全身にたっぷり塗布することが大切です。特に、乾燥しやすい「すね・腰・背中」は念入りに保湿しましょう。

③洗浄剤は低刺激・保湿タイプを使用

石けんやボディソープは、無香料・低刺激・保湿成分配合のものを選びましょう。「しっかり洗う」よりも、「やさしく汚れを落とす」ことを意識するのがポイントです。

④室内の湿度と衣類の工夫

冬場やエアコン使用時は、加湿器などを利用して室内湿度を50〜60%程度に保ちましょう。肌に直接触れる衣類は、綿素材など刺激の少ないものを選び、化学繊維やウールは避けると良いです。

⑤かゆくても掻かない工夫を

かゆみを感じたら、掻く代わりに冷やしたタオルを当てる、または保湿剤を重ね塗りして対応します。症状が強い場合は、抗ヒスタミン薬などでかゆみを抑えることも有効です。

 

皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)の治療方法

皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)の治療は、乾燥を改善して皮膚バリアを回復させること、そして炎症やかゆみを抑えることが基本です。症状の程度に応じて、外用薬・内服薬・スキンケア指導などを組み合わせて治療を行います。

①保湿剤(スキンケアの基本)

皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)の治療は、乾燥を改善して皮膚バリアを回復させること、そして炎症やかゆみを抑えることが基本です。症状の程度に応じて、外用薬・内服薬・スキンケア指導などを組み合わせて治療を行います。

②ステロイド外用薬(炎症・かゆみの改善)

赤みやかゆい・痛いといった炎症がある部分には、ステロイド外用薬を短期間使用します。症状の強さや部位に合わせて薬の強さを調整し、医師の指導のもとで適切に使用します。

③抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬(内服)

強いかゆみがある場合には、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服してかゆみを抑えます。夜眠れないほどのかゆい症状を軽減し、掻き壊しによる悪化を防ぐことができます。

④生活習慣・環境の改善

入浴時のお湯の温度、洗浄剤の種類、暖房やエアコンの使い方など、日常生活の見直しも重要です。熱いお湯・長風呂・洗いすぎを避け、室内の湿度を保つことで、治療効果を高め、再発を防ぐことができます。

⑤スキンケア・再発予防の継続

症状が改善しても、保湿を怠ると再び湿疹が出やすくなります。「治ったら終わり」ではなく、毎日のスキンケアを習慣化することが大切です。当院では、季節や肌の状態に合わせた保湿剤の選び方や塗り方についてもアドバイスを行っています。

⑥漢方薬・ビタミンE内服

皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)は確かに乾燥による湿疹ですが、「なぜそんなに乾燥するのか?」という体質的な要因の見極めも重要です。外的要因(入浴・洗浄など)に加えて、「冷え」などの内的要因が関係している場合もあります。体の冷えが強い方には、漢方薬やビタミンEの内服が有効なことがあります。手足が冷える「末端冷え症」だけでなく、「体の芯から冷える方」「下半身やお尻だけが冷える方」「お腹が冷えてお腹をくだしやすい方」「下半身は冷えるのに顔が火照る方」など、冷えのタイプはさまざまです。体質や症状に合わせた内側からのケアを併用することで、より根本的な改善を目指します。

山本ファミリア皮膚科 駒沢公園は漢方薬の処方を得意としており、冷えのタイプや体質に合わせた処方を行うことが可能です。体の内側から整える治療をご希望の方も、ぜひお気軽にご相談ください。

 

皮脂欠乏性湿疹のよくあるご質問

①冬だけ乾燥してかゆいのですが、受診すべきですか?

はい。冬だけの乾燥やかゆみも、皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)の初期であることが多いです。放置すると炎症が進み、毎年悪化することもあります。早めの受診をおすすめします。

    ②皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)はうつりますか?

    いいえ、うつりません。感染症ではなく、乾燥や刺激が原因で起こる皮膚炎です。人にうつる心配はありません。

    ③市販のクリームで治りますか?

    軽い乾燥であれば保湿剤で改善することもありますが、「かゆい」「赤い」「ひび割れがある」など炎症を伴う場合は、医師による治療が必要です。

    ④ステロイド外用薬は怖い薬ではありませんか?

    正しく使えば安全です。炎症やかゆみを素早く抑えることで、悪化や再発を防ぎます。自己判断で長期間使用せず、医師の指示に従いましょう。

    ⑤再発を防ぐにはどうしたらいいですか?

    毎日の保湿が最も重要です。入浴後や就寝前など、肌がしっとりしているタイミングで保湿を習慣化しましょう。加湿器の使用や衣服の見直しも効果的です。

    山本ファミリア皮膚科 駒沢公園では、皮膚科専門医が皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)の状態を丁寧に診察し、肌の乾燥度や生活環境に合わせた最適な治療とスキンケアをご提案しています。冬の乾燥やかゆみ、粉ふきなど、皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)の症状でお悩みの方は、駒沢大学駅近くの「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」までお気軽にご相談ください。

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