◆雨と湿気と肌のトラブルの関係
5月の終わりから6月にかけて、湿度が高くなり、気圧の変化も大きくなるこの時期。
なんとなく体の調子がついていかない…そんなふうに感じる方が増えてきます。
特に今年(2025年)の5月末は、東京では急に気温が下がって上着を羽織りたくなるほどでしたが、6月に入ると一転して夏のような暑さになっています。身体がその変化についていけないですよね。
「なんとなく体が重い」「頭が痛いような気がする」「足がむくむ」
そんな声が、外来でもちらほら聞かれるようになります。この不調、実は東洋医学でいうところの「水毒(すいどく)」が関係していることもあるのです。
東洋医学の「水毒(すいどく)」?あまり聞き慣れない言葉かもしれません。簡単にいうと、“体の中に余分な水分がたまってしまっている状態”のことをいいます。普段ならちゃんと巡って、汗や尿として出ていくはずの水が、何らかの理由でうまく排出されずに滞ってしまうのですね。そうすると、体のあちこちにちょっとした不調が出てくることになります。
たとえば、むくみや頭の重さ、胃腸の不調、めまいなど。皮膚にも影響が出やすく、湿疹やじんましん、脂漏性皮膚炎、アトピーの悪化などが見られることもあります。とくに梅雨どきは、こうしたトラブルが起こりやすい時期です。
そんなとき、東洋医学の視点から注目されるのが「漢方薬」です。
山本ファミリア皮膚科 駒沢公園では、季節の変わり目に起こりやすい体調や肌の不調に対して、患者さまの体質や症状、ご希望に合わせた漢方のご提案も行っています。季節の変化とうまく付き合うヒントのひとつとして、ぜひ参考にしてみてください。
◆「五苓散(ごれいさん)」―余分な水を外へ。巡りを整える漢方薬
この季節、患者様からよく相談を受けるのが、
「いつもの湿疹がひどくなった気がする」
「顔の赤みとかゆみが気になるようになってきた」
「子どものアトピーが悪化してる」
といったお悩みがあります。
梅雨の湿気は、皮脂や汗のバランスを崩したり、皮膚のバリア機能を弱めたりして、肌にとってはあまりやさしくないのです。しかも、カビやダニも増えやすい環境になるので、アレルギー体質の方には、ちょっとつらい時期かもしれません。
そんなときに有効な漢方薬が「五苓散(ごれいさん)」です。
そこで、こうした体の“水の巡りの滞り”を整える手助けをしてくれるのが、漢方薬の五苓散(ごれいさん)です。この処方、実はかなり昔からあるもので、水分代謝の乱れからくる頭痛やむくみ、胃腸の不調、二日酔いなど、幅広く使われてきました。
体にたまった余計な水を、やさしく外に出す。簡単に言えばそんなイメージです。冷えているお腹をあたためて、巡りを助ける働きもあります。
「雨が降りそうな日は体が重い」
「湿気が多いと蕁麻疹が出やすい」
「お腹が冷えて下しやすい」
そういった方に、うまく合うことがあります。
もちろん、漢方がすべての人にぴったり合うわけではありませんが、当院では外来でお一人おひとりの体質や症状に合わせて、必要があればご提案しています。どうぞお気軽にご相談ください。
また、薬だけでなく、生活の中でもちょっと気をつけてみるといいことがあります。
たとえば、冷たい飲み物を控えて、なるべく常温か温かいものを選んでみる。
お風呂でしっかり温まったり、軽くでも体を動かして汗をかく習慣をつける。
胃腸にやさしい食事を心がけるだけでも、体が少し楽になることがありますよ。
「気のせいかな」と思っている不調も、実は体が送っている“サイン”かもしれません。
無理せず、うまく季節と付き合うことが大切です。じめじめした季節を、少しでも軽やかに乗り切るヒントとして、「水の巡り」、ちょっと気にしてみてくださいね。
【漢方薬について】
※山本ファミリア皮膚科 駒沢公園では、患者様のお身体の状態に合わせた漢方薬のご提案も得意としております。
※漢方薬についてのご注意点:体質によっては合わない場合もございますので、医師の診断のもと、症状や体質に合った処方を受けていただくことが大切です。
「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」は東急田園都市線の駒沢大学駅が最寄り駅です。
東京都目黒区・世田谷区の東急田園都市線の駒沢大学駅、三軒茶屋駅、桜新町駅、用賀駅、または東急東横線の都立大学駅、学芸大学駅、自由が丘駅、また東急大井町線沿線からたくさんご来院いただいております。特に、定期的に通院可能な近隣(主に世田谷区の駒沢・深沢・上馬・下馬・野沢・弦巻・新町、目黒区の東が丘・八雲・柿の木坂)にお住まいの方々を中心に、大田区、渋谷区、品川区、川崎市、横浜市など幅広い地域からもご来院いただいています。
駒沢大学駅は、東急田園都市線で渋谷から3駅と近く、都心からのアクセスも便利です。また、自由が丘駅や田園調布駅からは、東急バスでのアクセスも便利です。
スタッフ一同、皆様のご来院を心よりお待ちしております。